
ボーイングタイムまでまだ30分以上あるけれど
搭乗ゲート前までやってきました。
スマホでゲームしながら時間を潰していると
「Excuse me Ms. Megumi ○○○?」
そう声をかけられて顔を上げると
私の名前を書いたスケッチブックを掲げたCAさんが目の前にいて
「Yes, I am…」
こんなこと初めてで困惑したまま返事をすると
CAさんより「Are you speak English?」と聞かれ
「um…little bit.」
正直にそう答えました。
するとCAさん、VIVANTのドラムですか?ってくらい高速で
ご自身のスマホを操作し始めて
私に画面を向けてきたんですけどそこには
「あなたが預けたバッグの中にモバイルバッテリーが入ってますね?」
はぁっ!?
「No!! 私のモバイルバッテリーはここにあります!」
慌ててナツコ達をかき分けて持っているモバイルバッテリーを見せました。
するとCAさんはまたタタタッとスマホをタップして
「アナタのバッグにモバイルバッテリーが入っていると連絡がありました。
ここに持ってくるので一緒に中を確認してください。」
「オ、OK OK!」
慌てて立ち上がるとCAさんに
「まだここにいて下さい。バッグを持って来ます。」と制されて
また椅子に座り込んだんですけど
何!?どういうこと!?
モバイルバッテリーはここにあるこれしか持ってない。
なのに何故?
この時の私の胸の中に広がったのは
スパイ映画のようなシチュエーション。
誰かがヤバいモノを日本に運ぶため私のリュックに忍ばせたとか?
「私は関係ありません!」
別室に連れて行かれて尋問される姿を想像してしまいました。
こんなこと、現実に起きるとは。
そんな緊張感で思考を張り巡らせていたら私達の便の搭乗が始まり
乗客が次々にゲートをくぐり始めて
「ここで待っててって言われたけど・・・みんな搭乗してるけど、いいの?
もしかして私と荷物、置いてかれちゃう?
いやいや、それは困るし!」
搭乗ゲートにいるCAさんに駆け寄って
「私の荷物にモバイルバッテリーがあるって言われて。ここで待ってと言われました。私はいつまでここにいるんですか?」
(ここは確実にいきたいのでスマホ翻訳使いました)
問いかけたCAさんは事情はご存じなようで「少々お待ち下さい」とにこやかに受け流し
何処かへ連絡を取られて
「問題ありません。ここでお待ちください。」
そう言うとまた搭乗手続き業務に戻られ
どんどん飛行機に吸い込まれていく乗客を見送りながら私はゲート前に佇むしかなくて
もしかしたらこの便では帰れないのかも。
諦めかけた頃、最初に声をかけられたCAさんが走って戻って来て
「コチラへ」と誘導されるがままについて行くと
搭乗口に近い
薄暗い1Fっぽいフロアに繋ぎの制服を来た男性2人と私のリュックが待ち構えていて
「開けて下さい。」
そう言われたのでリュックの一番大きな収納部分のジッパーを開け
中のモノを1つずつ見せて行くと
「コレだ!!」
繋ぎ姿の男性が手にしたのは
カメラのバッテリーの充電器。
って、イヤ・・・
充電器であって
充電池、つまりバッテリーではないのですよ。
電池ではなくコンセントと思って下さいね。
接続しなければ熱を帯びることはないもので
これまで預け荷物に入れていて引っかかったことはありません。
「これは手荷物に入れて下さい。」
取り出して私に手渡す繋ぎ姿の男性。
ここで揉めても仕方ないので
「分かりました。」と従う私。
「ではここにサインを。」
バインダーに挟まれた書類を差し出されました。
全編英語で何が書いてあるか分からないけど
もう、出発時間間近です。
他の乗客の方々に迷惑をかけたくないし
名の知れた航空会社のスタッフさん達がやってることだから
危険に繋がることはないはず。

私が多分
最後の乗客だったと思います。
既に着席していた通路側のお隣さんに
sorry,と言いながら着席しホッと一息。
いやでも
預け荷物に充電器がダメって今までなかったなぁ。
去年北海道の時も問題なかったし。
あ、もしかして形状がモバイルバッテリーに似てるから
X線検査で引っかかった?
保安検査場での記憶が蘇ります。
あそこでも鍵の映像がハサミに似てるって騒ぎになったもんな~。
確かにカタチは似てるし、疑われても仕方ないかも。
まぁ実際モバイルバッテリーを預けてなくて良かったわ♪
そう思った瞬間
いや待てよ、もしかして・・・
実は預けたリュックは
撮影用でよく使っていて
さっき、充電器が見つかったところで検査は終わったけど
全てのポケットを確認したワケじゃない。
もしかしてポケットのどこかに入れたままのカメラの充電池が残っていたのかも!
機内はもう
フライトに向けて最後の点検が始まっています。
ど、どうしよう
もう一度荷物を調べて!って、アレ?
どう言えばいいんだっけ?
テンパってるので頭が真っ白
フレーズが出てこない。
じゃあグーグルに翻訳してもらおうとスマホを開くも
既に機内モードなので繋がらない。
大丈夫だよ。
さっきスタッフさんに取り囲まれて荷物確認してOKで
サインまでしたんだもん。
何かおかしいところがあるなら誰か気付くはず。
シートベルトを締めて
ふぅっと息を吐く。
そう、きっと問題ない。
心配事の9割は不安が描く幻想だもん。
でも。
もしものまさかが起こったら?
荷物室で
バッテリーが発火する映像と
これが予測できた、と後悔する自分が脳裏に浮かんだところで
「ソ、Sorry~!!」
立ち上がりお隣さんを飛び越えて
入口を閉めようとしていたCAさんのもとへ
そして
「私の荷物、もう一度確認してください!
もしかしたらカメラのバッテリーが入ってるかも!」
私の拙い英語では伝わらず
何?どうしたの?
周辺のCAさんも集まって来て
「これに話して。」
一人のCAさんがスマホをコチラに向けてきたので
私の荷物にカメラのバッテリーが入っているかもしれません。
そう話すとタイ語に翻訳されたようで
その場のCAさん方が何やら話し合って
最後にスマホを向けて下さった方が一言
「No problem.」
ノープロブレム~!?
上ずった声で思わず繰り返すとCAさん方は笑顔で
アナタの荷物は安全です、大丈夫ですよ、と言いながら
席へと私を促して
sorry, sorry,と言いながら
また座席へ戻る私。
(落ち着いたころにお顔を見たら100%日本人でした…)
それから20分ほど待機して
飛行機は滑走路へ。

あの日のタイ航空福岡行き便ご搭乗の皆さま
出発が遅れたのは恐らく私のせいです、ごめんなさい💦
でも
多少の遅延にはなってしまったかもだけど
あの行動は間違ってなかったと思っています。
事故に繋がるかもしれないことに気付いたのに
気付いてないフリは出来なかった。
その場の100人に迷惑をかけたかもしれないけれど
その場の100人の命のことを考えたら
その迷惑で批判されることくらい受けて立つ!
そんなドタバタも落ち着いて
小雨の中のテイクオフ


雨天のフライトでしたが特に揺れもせず
離陸後しばらくは東南アジアの夜景を楽しめました。
しかし30分もすると視界も真っ暗になり
機内消灯でお隣さんも眠ったみたいなので
私もブランケットにくるまっておやすみタイムへ突入。
3時間程寝たでしょうか。
何となく明るい光を感じて
閉めていたシェードを開けると

夜明け間近の空。
ココはどの辺?と思っていると

前方からシューッと
光の矢がこちらめがけて飛んで来た。

ナツコ達を起こしたら大興奮♪

夜明けって本当に美しい。
それを上空から見られるっていうのが深夜便の良いところ。
ナツコ達と楽しく眺めていると
食欲そそる匂いが機内に立ち込めてきて

モーニングの時間。
「ラウンジで沢山食べて寝ただけなのに」
「何故かもうお腹ペコペコなんだよね。」
「確かに(笑)。私なんて寝不足でもあるんだけどこの匂い嗅ぐとモリモリ食べたくなるよね。」
タイ航空のミール、往復共にとても美味しかったです。
よく工夫されているなぁと感心しました。
朝食を終えてしばらくすると
「あっ!桜島だ!」


コメント